【日本茶コラム】ほうじ茶の豆知識
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ほうじ茶とは、煎茶、番茶、茎茶などを赤茶色に変わるまで強火で焙じて(炒って)、製造したもので、日本の緑茶の1つです。
焙じことによる香ばしい香り(火香)と苦みや渋みが少なく、すっきりとした味わいが特徴です。
カテキンやカフェインが少なめで、胃への負担も少ないため子供から年配の方にまで幅広く安心して飲むことができます。
一般的にほうじ茶は、日常的なお茶としてリーズナブルな価格で販売されていることが多く、たくさんの人に親しまれるお茶です。
こんな時におすすめ
~リラックスしたいとき~
ほうじ茶はカフェインの少ないお茶ですので、リラックスしたい時や夜の時間帯でも眠れなくなるという心配をあまりすることなく一日中いつでも美味しくいただくことができます。
~冷えが気になるとき~
ほうじ茶は、煎茶や番茶などを焙じて製造していますが。このときの熱で、茶葉には「ピラジン」という成分が増加します。 このピラジンは芳ばしい匂いの元ともなっている成分ですが、そのほかに、毛細血管を拡張して血流を促す作用があります。
ほうじ茶を飲んで体がポカポカと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、温かい飲み物を飲んだというだけでなく、ピラジンが作用して体内の血流が促され体が温まったということも言えるでしょう。
~食事中に~
ほうじ茶は、渋みや苦みが少なく、あっさりとした口当たりが魅力のお茶です。
「食事のお供」として飲むにも最適です。カフェイン量も少ない為、老若男女を問わずに楽しめる点も魅力です。
また、ほうじ茶に豊富に含まれているポリフェノールによって、ほうじ茶は口臭対策にもなります。ほうじ茶を飲むことによって、口臭の原因となる雑菌の繁殖が抑制されます。
ですので、口臭の予防や虫歯の予防にも繋がります。ですので、食事中はもちろん、食後にもほうじ茶は非常におすすめです。
ほうじ茶の種類
茶を焙じる・炒ることで作られるほうじ茶ですが、使用する茶葉や製法の違い、また地域により呼び名が異なる場合があります。
◆ほうじ煎茶
通常煎茶として使用する上質な一番茶や二番茶の上質な茶葉を使用した場合、あえて「ほうじ煎茶」とし、上質なほうじ茶として販売されています。
◆ほうじ番茶
番茶を原料として作られたほうじ茶のことです。一般的にほうじ茶=番茶と理解されていること多いようです。
◆京番茶
京都では馴染みのほうじ番茶です。香りはスモーキーで香ばしさの残るあと味が特徴で府外の人とっては好みが分かれるほど個性のあるお茶です。
◆雁ヶ音ほうじ茶
一番茶の茎(雁が音・かりがね)の部分だけを焙じたお茶のことです。茎ほうじ茶、もしくは以下に紹介する加賀棒茶などと呼ばれることもあります。まろやかで香りの良いほうじ茶です。
◆加賀棒茶
茎茶(棒茶)を焙じたものほうじ茶です。石川県で主に生産されており、石川県では「棒茶」、「番茶」といえばこれを指すことが多いです。
ほうじ茶と番茶の違い
前述した通り、ほうじ茶とは香ばしさが魅力の茶葉を焙じた緑茶の1種です。番茶とは、低級品や規格外の緑茶の総称であり、「三番茶」や「四番茶」、「秋冬番茶」のことを指します。
しかし、非常にややこしいですが、北海道や東北、北陸地方では「ほうじ茶」のことを番茶と呼んでおり、混乱される方も少なくありません。しかし、一般的にはこのように、ほうじ茶と番茶は全く異なるお茶です。
番茶は普通の緑茶で緑色であり、ほうじ茶は焙じたお茶ですので茶色をしています。
ほうじ茶の効果効能
ほうじ茶は茶葉を焙じて作られるお茶ですので、基本的には有効成分は普通のお茶と変わりません。
ほうじ茶の主な有効成分は「タンニン」「カフェイン」「ビタミン類」です。
そのため、美肌効果やアンチエイジング効果、ダイエット効果などが期待できます。
しかし、ほうじ茶が普通のお茶と大きく異なる点は、カフェインの少なさです。
なぜなら、ほうじ茶は製造工程で高温で焙じる際に「カフェインが飛ばされる」為です。
それゆえ、赤ちゃんからお年寄り、病気の方にも安心して飲めるお茶と言われています。
苦みや渋みも非常に少なく、胃への負担も小さいことから医療施設や介護施設でも飲まれることが多いお茶です。