【日本茶コラム】おくみどり
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おくみどり
おくみどりの特徴
煎茶の元となるチャノキ「おくみどり」は、「やぶきた」と「静岡在来16号」をかけ合わせて作られた品種で「やぶきた」より後に旬を迎えます。
クセがなく味はまろやかで苦味が少ないのが特徴です。
碾茶(てんちゃ・抹茶の原料になる)や玉露用としても注目されています。
おくみどりのチャノキは芽数が多いので収量が多く見込めます。
茶葉は深みのある緑色、晩生であることが「おくみどり」という名前の由来です。
煎茶などに加工すると、スッキリさわやかな香りが楽しめます。
味は甘味、渋味ともに強くなく、弱くもないので飲みやすいお茶と言えるでしょう。
おくみどりの栽培地域は鹿児島や京都が中心ですが、近畿や九州、沖縄と西日本を中心に広い範囲で栽培されています。
おくみどり茶の味
煎茶などに加工したおくみどりは、渋みも甘みも強すぎないのが特徴です。
そのため、代表的なチャノキの品種である「やぶきた」など、他のお茶のブレンドした商品も多く見られます。
しかし、おくみどりは、単品でも十分に美味しくいただけるお茶で、夏には水出しもオススメです。
また、露地栽培の他に「かぶせ栽培」を行っている茶園もあります。
かぶせ栽培で育てられた「おくみどり」は、甘みと香りが強くなる特徴があります。
煎茶を淹れる場合、通常は低い温度のお湯で淹れますが、かぶせ栽培の場合は熱湯でも美味しく頂けるのが、魅力の一つです。
これは「かぶせ茶」ならではの特徴と言えますが、日光を遮ることにより、茶葉の成分に変化が起こるからです。
また、「おくみどり」には、抗アレルギー作用がある「メチル化カテキン」が含まれています。
そのおかげで、くしゃみや鼻水、目のかゆみといったアレルギー症状を抑制する効果が期待できます。
これは、煎茶として多くのシェアを占めている「やぶきた」には含まれていない成分です。
メチル化カテキンは、茶葉の中でも限られた品種でしか確認されていません。
一年を通してアレルギー症状に悩まされるという方はもちろん、おくみどりの煎茶はおススメです。